つきみの方面から旧16号で八王子方面に向かい、16号バイパスに合流。16号バイパスは渋滞中。そこは二輪車の強みで車線の左側を走る。こういう時に気をつけるのは、左から出てくる車、左に入ろうとする車。ライダーは生身で走っているので車と喧嘩して勝てるわけはないのです。

あと、片側3車線のため、歩行者の飛び出しはまずないと考える。また交差点でもないのでいわゆる右直事故の心配もないです。

走っていた場所はガードレールの切れ目もないので上記の心配はないものと走ってました。合流後は車も渋滞で止まっているので恐らく20〜30km/hで走ってました。ところが100mほど走ったところで前方約10mほど先に居た1tくらいの小型トラックの左側のドアが開くのが見えた!

南無三!ブレーキをかける(右手を握る)暇もないことは距離と速度で即座に判断。ただただぶつかるしかないなとあきらめ。開き始めたドアに右半身から突っ込みました。ヘルメットをかぶってるとは言え、頭の直撃は嫌なので頭は左側に思い切り倒しました。ぶつかった瞬間は目を閉じてしまったので良くは覚えてないのですが、当たった順番は、右手、右胸、右太もものはず。ドアは開ききっておらず、板金の平面ではなく線(端面)にぶつかった感じ。この痛さ、わかるような気がするでしょ?

ゴーンとぶつかって体が右向きになり、体が先にストンとお尻から落ちた感じ、それからバイクが左側に傾いて倒れて前方に滑って行くのが見えました。まだ一度もコケたことなかったのになぁ。

地面に落ちたショックはさほどありませんでした。意識もはっきりしている。まず、感じたのが右手人差し指と中指の違和感(痺れ)。それから、息ができないことに気づきました。空気を吸えるけど、吐けない。これが苦しい!上を向いても、下を向いても、かがんでも、座っても、立ち上がっても、何をしても息ができない。「ゼ〜〜〜〜〜ヴ〜〜〜〜〜」と息を吸いながら吐こうとしてできずに呻くだけ。ガードレールのパイプに両手で捕まって下を向いて中腰で居るのが精一杯。この時間が永遠に続くと思ったくらい。で、呻きながら他の体の傷の具合を確認。

手袋を取って見る。恐らくドアの金具を撫でたため、人差し指右側と、中指左側が直径8mmくらいに皮がむけて出血。痛みよりもジーンと痺れている感じ。出血はたまにポタリと落ちる感じ。指を動かしてみる。激痛もなく曲がってくれる(痺れてるけど)。

次に肋骨、鎖骨、肩甲骨あたりの確認。自由の利く左手であちこちそっと撫でてみる。特に激痛も走らない。痛いけど我慢できる痛み。これは骨折はなさそうだなと判断。右肩を回してみる。少し痛いがこれも我慢できる。

最後に足。立ち上がれたので心配はしてなかったけど、ズボンの右太腿あたりが15cmくらい線状に擦り切れてる。あぁ、ドアが当たったんだなと判断。このあたりで「あぁ、これで今日の会合は行けないな。これから色々面倒だな」と考えだしました。


呻いている時にトラックの運転手と助手席の人が降りてきて「大丈夫ですか?」と聞くけど、息ができなくて呻くだけ。相当な声で呻いていたんで、さぞびびったことでしょう。おれもびびってましたよ。
あと、ヘルメットを取りましょうとひもをいじってくれたのですが、二重リングでワンタッチで緩むのに、わざわざややこしい外し方をしてくれて(右手が利かないので)難儀しました。

ここでバイクが寝たままなので運転手さんに起こしてもらい、スタンドをかけました。暗いのでダメージは良くわからなかったけど、ハンドルは曲がってなさそう。ただ、ギアのチェンジレバーが内側に曲がってました。

トラックの前に止まっていた乗用車(家族連れ)の人が親切にも三角表示板を出しながら携帯で救急車を呼んでくれている。「16号下り線の家具の大正堂の前あたり」と話している。「あと、警察も呼ばないと」と話をしている。

そうこうしているうちに息ができるようになりました。息を整え、話ができるようになるまで10分弱かかったみたいです。歩道との段差に座り込んでると、救急車の近づいてくる音が聞こえてきました。乗用車の運転手が「どうしたの?」と聞いてくるので「後ろのトラックの助手席側ドアがいきなり開いて、そこに突っ込んだんですよ」と説明。あと、バイクが転倒した時にこの乗用車に少し接触したようです。(ショックはほどんどなかった、と、後で警察に話をしてくれたようです)。ここで携帯を取り出してかみさんに電話。この時の時間が18:50くらいでした。

救急車が到着。意識も明瞭で自分自身での身体の確認はほぼ終わっていたので、自分で歩いて乗り込んで椅子に座っていろいろ救急隊員に説明。トラックに逃げられると困るので、トラックのドアが開いたことも説明。

この時点で警察が到着。バイクの鍵を渡しました。事情聴取は後回しでまず病院。まぁ当然ですわね、救急隊員さんが「近くの病院に行きます」と言って出発。ベッドに寝ることもなく座ってました。病院へは10分弱といった感じでした。救急車に乗るのは2回目ですが、本当に乗り心地はトラックと同じですね。

病院到着後、自力で歩行して処置室へ。指の消毒をしてもらい、「あ〜皮がむけてるね〜、あ〜皮が取れちゃった」って、おいおい、すっげぇ痛いんですけど。

ガーゼと包帯を巻いてもらってひと段落。太腿は擦り傷で、血は滲んでいたけどズボンまでは汚れてませんでした。ここも消毒してガーゼを当てて絆創膏で固定して終わり。

医者の問診であちこち胸の周りを撫でられたけど、さほど痛くないので「骨折はなさそうですが、一応レントゲンを撮りましょう」ということで、右手指先、右胸〜右肩、右太腿を10数枚取って終わり。現像ができあがるまでしばらく待ち。ここで再度携帯でかみさんに連絡し、病院名を告げる。ここで19:50くらい。

レントゲンが出来上がって医者に呼ばれ、「骨には異常はないので湿布だけしときます」と言われる。ここで一安心。痛いけど。「明日もう一度来てください。診断書を出します」とのこと。

この頃に警察官が到着。「治療が終わったら事情聴取がしたいので相模原南署に行く」と告げられる。「トラックの運転手も署で事情聴取中」とのこと。あわててかみさんに電話。ここで20:20くらい。

会計で事故の書類を書いただけ。お金の支払いは別途ということで、今度は警察署の1ボックスワゴン車に乗り込み。相模原南署へ。

女性の警察官から事情聴取。取り出した用紙が「被害者用事情聴取」みたいな印刷がされているので「あ、これは俺の過失はないな」と。道路の左側を30km/hで走っていたこと、ガードレールの切れ目でもないところでいきなり助手席のドアが開いたことを説明。予測不可能な事態が発生したことは理解してもらえたみたい。何せ(一応)無事故無違反でゴールド免許ですし。

用紙の最後の方に「加害者について処罰を望むか?」という欄がある。「望まない」「警察の判断に任せる」とあるので、後者を選択。この頃にかみさんが到着。

「右手の負傷は色々大変ですね」と婦警さん。「いやいや、私は左利きなので」と軽口を叩く私。

あとは、翌日に診断書とバイクの登録書と自賠責の証書(家におきっぱ)を警察署に持っていくことを約束して完了。最後に運転手の人を呼んで話。仕事帰りだったようで「会社で入っている保険屋に連絡させます」という話をしておしまい。警察から、トラックの運ちゃんの連絡先、前に止まっていた親切な乗用車の人の連絡先のメモを受け取りました。

助手席の人が降りようとした理由は、渋滞で車が動かないので別の車を呼んで帰りたかったとのことでした。基本的に運転手の責任ですが、この人も警察にずいぶんと絞られていたようです。

かみさんの運転で自宅に帰ったのが21:30少し前でした。
帰宅後乗用車の人に電話してお礼。別途伺ってお礼したほうがいいかな。

家に帰って気づいたのは右胸ポケットに刺していたボールペンが真っ二つに折れていました。あとジャケットの右側に白い線が一本走っていました。(白いトラックでした)

以上長文失礼しました。